
人身傷害保険とは
人身傷害保険とは、交通事故によって生じたご自身や同乗者の方のケガの治療費(実費)や、後遺障害による逸失利益や介護料、精神的損害、働けない間の収入等について掛け金の範囲内において過失の割合に関わらず補償される保険です。
ただし、人身傷害保険は自身の過失割合に関係無く実際の損害額を保険金として受け取れますが、交通事故の相手または相手が加入している保険会社から補償されるべき金額について重複して受け取ることはできません。
一般的に人身傷害保険により支払われる保険金には補償の対象となる者1人ごとに上限があります。
【例】総損害額が5,000万円となる交通事故が発生した。
(過失割合は自分3:相手7)
人身傷害保険へ加入していない場合
相手からの賠償額は3,500万円となり、自身の過失分の3割(1,500万円)については支払われない。
人身傷害保険へ加入している場合
過失割合に関係なく5,000万円の補償を受けることができる(保険金額が5,000万円以上の場合)。
ただし、相手から賠償金が支払われた場合や、労働者災害補償制度によって既に給付が決定されたまたは支払われた場合にはその、金額が保険金から差し引かれます。
人身傷害保険の支払対象
保険金額の範囲内において、実際にかかった治療費や休業損害、精神的損害、死亡や後遺障害による逸失利益などの総実損額が過失割合によらず支払われる人身傷害保険の総損害額の認定は、加入している保険会社が約款に基づいておこないます。
人身傷害保険によって主に支払われるもの
負傷による 入院・通院 | ・治療費などの実費 ・休業損害(働いていれば得られたであろう収入) ・精神的損害 |
---|---|
後遺障害と 認定された | ・治療費などの実費 ・逸失利益(労働能力喪失による将来得られたであろう収入) ・精神的損害 |
死 亡 | ・死亡するまでの治療費などの実費 ・逸失利益(死亡したことにより得られなくなった将来の収入) ・精神的損害 ・葬儀費用 |
人身傷害保険が必要な場合
人身傷害保険が必要となってくる場合には、次のようなケースがあります。
・入院や通院が長引いて医療保険等で治療費を賄えなくなったとき
・後遺障害認定後、長期間の通院や治療、介護が必要となったとき
・事故の相手から賠償金が長期間支払われないとき
人身傷害保険金は、自身の過失の割合に関係なく交通事故の相手に賠償金を支払うよう求償するものです。
そのため、示談交渉が長引いている場合であっても、その間の治療費の立て替えなどの悩みを解消してくれます。
人身傷害保険の類別
人身傷害保険は、大きく次の2種類に分かれています。
契約している車に搭乗している際における交通事故のみを補償対象とするもの
契約した車に搭乗していないときの交通事故についても補償対象とするもの
契約している車に搭乗している際における交通事故のみを補償対象とするもの(類別①)
契約した車を運転または同乗している際に発生した交通事故に限り利用できる人身傷害保険のため、保険料は安くなる反面、歩行中や契約した車以外に搭乗していた際に発生した交通事故について補償の対象とはなりません。
契約した車に搭乗していないときの交通事故についても補償対象とするもの(類別②)
被保険者や被保険者の家族などが契約している車に乗っていない場合の交通事故についても補償の対象となるため保険料は高くなりますが、次のような交通事故についてもカバーされます。
契約している車に搭乗しているときの交通事故により負傷した
歩行中に他の車にはねられて負傷した
二輪車や自転車を運転しているときに他の車にはねられ負傷した
他の車に搭乗しているとき(バス、タクシー等含む)に発生した交通事故により負傷した
人身傷害保険は保険会社によって補償内容が異なることがあるため、加入している保険会社の契約内容について確認する必要があります。
2種類の人身傷害保険の主な違い
契約した車に搭乗中事故 | 契約していない車に搭乗中 | 歩行時や自転車搭乗時 | |
---|---|---|---|
類別① | 〇 | ✕ | ✕ |
類別② | 〇 | 〇 | 〇 |
類別1は、契約している車に搭乗している際における交通事故のみを補償対象とするもの
類別2は、契約した車に搭乗していないときの交通事故についても補償対象とするもの
人身傷害保険における留意点
契約した車に搭乗していないときの交通事故についても補償対象とする人身傷害保険(上記表類別2)については、補償内容の重複に注意が必要です。
自身や家族が2代目以上の車を所有している場合、いずれかの自動車保険で搭乗中以外の交通事故について、補償の対象としている人身傷害保険を契約すれば、残りの車の自動車保険は搭乗中に限り補償対象とするタイプの人身傷害保険を契約して補償内容の重複といった保険料の無駄を省くことができます。
搭乗者傷害保険との違い
自身が運転する車に同乗者がいるときに発生した交通事故により同乗者が負傷してしまった場合において、同乗者の治療費等を補償する保険に「搭乗者傷害保険」があります。
同乗者の治療費等を補償することを目的とする人身傷害保険と搭乗者傷害保険の大きな違いは、それぞれ保険金の算出方法にあります。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険の算出方法の違い
実際に交通事故により発生した損害額が支払われる人身傷害保険に対し、搭乗者傷害保険は、契約時に定められた金額が支払われる保険です。
人身傷害保険は、保険金額の範囲内において実際に生じた損害額と相手からの賠償額の間に生じた差額を補償するものです。
搭乗者傷害保険は、人身傷害保険の保険金や相手からの賠償金を受け取っていても、契約時に定められた金額を受け取る事ができる補償の上乗せです。
さらに搭乗者傷害保険は契約時に定められた金額が支払われるため、実際の損害額の確定を必要とする人身傷害保険に比べ、早期に保険金が支払われるといった特徴があります。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険
人身傷害保険 | 搭乗者傷害保険 | |
---|---|---|
保 険 金 | ケガの部位や程度によってあらかじめ決められた金額 | 過失割合に関係なく実損額が支払われる |
補償の範囲 | 契約車両に搭乗中の事故に限る | 契約車両搭乗中に加え、他の自動車搭乗中や歩行中も対象 |
支払方法 | 実際の損害額 | 定 額 |
支払時期 | 損害確定後 | 即 時 |
人身傷害保険と等級
自動車保険を使うと等級が下がり翌年度以降の保険料は高くなりますが、人身傷害保険のみを使った場合、等級は下がりません。
ただし、等級が変動しないのは人身傷害保険のみを利用した場合、即ち「対人賠償責任保険」や「対物賠償責任保険」、「車両保険」など他の保険を利用しない場合に限られることにご留意ください。
交通事故に強い専門家とは
交通事故に関する業務について専門的に取り扱っていない場合、自動車保険について詳しくなくても仕方のないことかもしれません。
職種を問わず交通事故を取り扱える専門家だと語る者であったとしても、交通事故により受傷した損傷が惹き起こす症状や病態と自動車保険との関係性について精通しているとも限りません。
交通事故当初から他覚的所見やあなたが訴える症状をもとに適切な後遺障害の等級認定を見据えた治療法や検査の実施および自動車保険のしくみなどについて説明もしくは提案できる者こそが交通事故を取り扱う専門家だと考えています。
たとえ敏腕弁護士であっても自賠責(共済)保険が判断する後遺障害に該当しなければ、その後の示談交渉や裁判手続きにおいて納得できる結果を導き出すことはとても難しいです。
ウェーブ行政書士事務所では、あなたの利益を最大限確保するための適正な後遺障害の等級認定の取得を第一の目標としています。
示談交渉や裁判上の手続きがあなたにとって、有利な結果を導くこととなる後遺障害の認定に向け、全力であなたやあなたのご家族をサポートいたします。
後遺障害の等級認定申請の代行が完了した後の手続きについては、ウェーブ行政書士事務所の理念に賛同いただいている弁護士があなたを全力でサポートいたします。
ウェーブ行政書士事務所へご依頼いただいたあなたは、交通事故に関する問題が解決するまでの期間において自身の治療に専念いただくこととなり、示談終了後に必要となる治療費や後遺症による収入減少といった金銭的な不安から解放されることとなります。