これまで多くの方の適正な後遺障害の等級認定を勝ち取ってきたウェーブ行政書士事務所が取り扱ってきた交通事故によるむち打ち損傷の事例をもとに症状や治療上の注意点についてご紹介いたします。

ご紹介する内容について、深くご理解いただき安心して治療に専念できる一助となれば幸いです。

むち打ちとは

むち打ちとは、追突事故などにより衝撃を受けた被害者の頸部から腰部にかけて過伸展および過屈曲する身体の動きのことで、真横から見て鞭を打つ様子に似ていることから「むち打ち」と呼ばれています。

世間一般において傷病名のように使用されるむち打ちですが、医学的な傷病名ではなく受傷状況・受傷機転を示す言葉です。

受傷状況・受傷機転とは、交通事故と症状の因果関係を判断する重要な要因となるケガの発生状況のことで、衝撃を受けた身体の部位、衝撃の方向、衝撃を受けた後の身体の動き、何とぶつかったのか、どこをぶつけたのか、衝撃によって飛ばされた距離等の状況のことです。

医師によって診断されるむち打ちの名称には、頸椎捻挫、腰椎捻挫および外傷性頸部症候群などがあります。

捻挫とは、骨に骨折やヒビといった異常は見受けられないが、骨以外の部位が損傷しているといった状態のことです。

むち打ちは、交通事故の態様や受傷状況により、症状が軽微なものから重篤なものまで幅広くあります。

むち打ちの治療

医師による診断

交通事故の後、首から腰にかけて痛みやしびれがあるときは、病院に向かい医師による診断および治療を受けてください。

交通事故現場では動揺して気付かないこともありますが、どんな些細なことでも身体に異変を感じるときは救急車を利用し至急病院へ向かい受診することをお勧めいたします。

救急搬送された事実の有無が、後遺障害の等級認定を判断する際において大きく影響することがあります。

交通事故が発生した直後に病院へ行かず、交通事故から数日経過した後に病院へ向かっても、その痛みが交通事故によるものなのか、それとも他の原因によるものなのかが不明となります。

原因が解明できない痛みについて、相手方の保険会社が治療費や慰謝料を支払うことはありません。

それどころか、交通事故との因果関係を否定し交通事故による損傷ではないことを主張してきます。

稀に、痛みやしびれが続くのであれば2週間後に来るよう初診時に指示する医師がいますが、適正な後遺障害の認定という観点からすぐにでも病院を変えてください。

診断時に注意すること

交通事故による痛みやしびれなどの症状を医師に伝えるときは、できるだけ正確に伝えてください。

医師は、初期の症状として患者の主張をカルテに記載します。

症状について、伝え忘れがあったまたはうまく伝わっていなかった場合、当然、その内容についてカルテに記載されることはなく、最初からその症状はなかったものとして扱われます。

そうなると、後発した痛みやしびれなどの症状については交通事故によって発生したか不明となり、後遺障害の等級が認定されないまたは認定されても不本意な認定となることがあります。

検査の実施

病院での受診後、数日経っても痛みやしびれが治まらないときは、早期にMRI検査を実施してください。

交通事故によるケガのため病院へ向かった場合、必ずと言っていいほどの確率でレントゲン検査は実施されますが、MRI検査はあまり実施されません。

通院している病院にMRIの設備がなくても、医師に伝えると紹介状を作成してくれるため、紹介状記載の病院でMRI検査を受けることができます。

MRI検査では、外傷性の異常はなく、加齢による身体の変化(経年変化)とされることが多いです。

経年変化と認められる場合であっても、膨隆や圧迫などの異常個所が発見されれば後遺障害と認定されやすくなります。

通院期間中

交通事故によりケガをした部位およびその周辺に継続して痛みやしびれがある場合、医師の指示によるリハビリを受けたり、診察および治療を受けてください。

診察および治療は通院する度に受診する必要はなく、2週間や1カ月に1回程度でも構いません。

交通事故によるケガのリハビリは、週に3回~4回受けることをお勧めしています。

リハビリや治療及び診察の頻度は、痛みやしびれといった症状が最も強いため、交通事故直後が高くなり、時間の経過とともに低くなっていくものだと考えられています。

明確な基準の公表はありませんが、頸椎捻挫や腰椎捻挫を治療するための通院回数が少ないまたは通院期間中に2週間以上治療を受けていない期間があるなどに該当すれば、後遺障害が認定されることはほとんどありません。

継続してリハビリや治療を受けているにも関わらず、痛みやしびれが続くのであれば、頸椎捻挫や腰椎捻挫の場合、最低半年間は通院してください。

通院期間についても明確な基準の公表はありませんが、半年未満で治療を終えた場合において後遺障害が認定されたことはありません。

整骨院・接骨院の利用

交通事故の治療のため、整骨院や接骨院に通院すること自体は問題ありません。

ただし、後遺障害と認定されるためには、原則として医師が在籍する病院への一定程度の通院が要件とされています。

判例で、整骨院および接骨院等による交通事故の治療が例外的に通院と認められるのは次のいずれかに限ると明示しています。

  • 医師の指示がある場合

  • 症状により有効かつ相当と認められる場合

病院と並行して整骨院や接骨院へ通院すること自体は構わないですが、病院への通院実績と混同してしまった場合、通院回数の不足を理由に後遺障害と認定されなくなることがあります。

むち打ちと後遺障害

症状固定

医師から症状固定予定日を告げられたら、後遺障害診断書を作成する準備を始めます。

症状固定とは、そのまま治療を継続しても著しい改善が見込めなくなった状態のことです。

【注意】症状固定日は医師が決めるもので保険会社が独自に決定して医師に定めるよう指図するものではありません

むち打ち損傷の後遺障害診断書には、レントゲンやMRIなどの画像検査結果および神経根症状誘発テストの結果を記載してもらいます。

完成した後遺障害診断書は、被害者請求と呼ばれる方法で自賠責保険会社に提出し、後遺障害の等級認定を申請します。

交通事故被害者応援団へご依頼いただいた場合、症状固定日におこなわれる神経根症状誘発テストの場へ同行し、適切な後遺障害等級認定に向けた後遺障害診断書の作成について医師へ助言いたします。

交通事故発生直後から症状固定日を迎えるまで準備してきた数々の資料に加え、症状固定日時点のお客さまの主張および身体の状況についての意見書を添付し、後遺障害の等級認定申請を代行いたします。

むち打ちの等級

交通事故によるむち打ち損傷で認定される後遺障害の多くは、後遺障害14級9号の「局部に神経症状を残すもの」です。

症状が重い場合に認定される後遺障害12級13号の要件は「局部に頑固な神経症状を残すもの」です。

後遺障害12級13号が認定される目安は、次の通りです。

  • MRI等により神経根圧迫などの明確な他覚的所見があるとされる

  • 手足のしびれが初診時から症状固定時まで一貫して存在している

  • 手足のしびれの程度が治療をしても軽減していない

  • 他覚的所見としびれの部位が整合している

むち打ちを立証する画像所見

交通事故により受傷した頸椎または腰椎およびその周辺部位において、神経症状を発症していることが画像資料から確認できるかどうかは、後遺障害の等級認定を判断する重要なポイントです。

むち打ちを立証するための主要な画像検査は、以下のとおりです。

単純レントゲン

頸椎のレントゲン検査は、単純撮影と造影剤を用いる造影検査とに分かれています。

造影検査には、椎間板造影(ディスコグラフィー)や脊髄造影(ミエログラフィー)がありますが、生体の内部環境の恒常性を乱す可能性がある刺激を有していることから、施行頻度は減少しています。

むち打ち損傷において、まず最初におこなわれる単純レントゲンは、骨傷の有無を検討する検査として優れるため、患者の第一選択として実施される画像診断です。

しかし、骨傷や後縦靭帯骨化症などの有無の確認や選考には有用とされている単純レントゲンですが、直接その病態を抽出することや初診時の画像所見から予後を予測することは困難とされています。

そのため、骨病変の少ない頸椎レントゲンのみをもって後遺症評価をおこなうことは意味をなさないとされています。

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MRI

MRI(磁気共鳴撮影法)とは、磁気と電波(高周波)による画像検査法で、レントゲンのような電離放射線ではありません。

頸椎を支持する軟部組織(脊髄、靱帯、椎間板、神経根など)を描出することに優れています。

むち打ち損傷を受けていない正常者であっても、加齢を原因とする椎間板の変性などの異常所見があったと報告されたことも少なくありません。

そのため、MRIで異常所見があったとしても、交通事故との因果関係をすべて認めることは困難とされることがあります。

しかし、むち打ち損傷の患者は、高頻度で椎間板ヘルニアや前縦靱帯損傷が認められることや椎間板の変性が進行することから、神経症状と椎間板の膨隆の相関関係を知ることのできるMRIは有用だとされています。

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PET・SPECT

PETとは、ポジトロンエミッション断層撮影法のことで、陽電子(ポジトロン)を放出する放射性薬剤を用いて断層画像を撮影する診断法のことです。

SPECTとは、単一光子放射線型コンピュータ断層撮影法のことで、ガンマ線を放出する放射性薬剤を用いて断層画像を撮影する診断法のことです。

PET・SPECTは、それぞれむち打ち損傷の画像検査として、認知障害、集中力低下および頭痛などの脳症状を訴えている患者に対しおこなわれることがあります。

しかし、病態解明における有用性について議論されているため、今後の検討課題とされています。

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むち打ちの立証に有効なテスト

症状固定日を迎えても、交通事故により受傷した部位の症状が残存しているかどうかについて判断するため、医師はさまざまなテストをおこないます。

神経根症状誘発テスト

スパーリングテスト

頭部を患部側に傾斜・後屈して圧迫し軸圧を加える神経学的なテストです。

圧迫を加えることによって椎間孔が狭められ、そこを通る神経根に障害が存在している場合、その神経根が支配している領域に痛みやしびれ感が発生することから神経症状の発症を知ることができるものです。

スパーリングテスト

軸圧とは、脊柱(背骨)を構成する骨(椎体といいます)に垂直方向からかかる負荷のことです。

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ジャクソンテスト

ジャクソンテストは、頭部を後屈して圧迫し軸圧を加える神経学的なテストです。

神経根障害が存在する場合、その神経根が支配している領域に痛みやしびれ感が発生することから神経症状の発症を知ることができるものです。

ジャクソンテスト

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ショルダーデプレッションテスト

ショルダーデプレッションテストは、肩引き上げテストとも呼ばれ、頭部を神経症状が発症している反対側へ倒し肩を下方へ押し下げる神経学的なテストです。

Jackson shoulder depression testといった名称から、ジャクソンテストと混同されることもありますが、テスト方法から判断して別のテストとなります。

ショルダーデプレッションテスト

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胸郭出口症候群の誘発テスト

アドソンテスト

アドソンテストは、幹部側へ頭部を回旋させたあと、顎を上げた状態で深呼吸させ、橈骨動脈の拍動をみるテストです。

患部側の橈骨動脈の脈拍が弱まるまたは消失する場合は、陽性となります。

橈骨動脈(とうこつどうみゃく)とは、上腕の動脈から肘関節のところで分岐し、前腕の外側を走る動脈のことです。

アドソンテスト

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ライトテスト

ライトテストは、座った状態で両上肢を外転または外旋させて、橈骨動脈の拍動をみるテストです。

患部側の橈骨動脈の脈拍が弱まるまたは消失する場合は、陽性となります。

ライトテスト

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エデンテスト

エデンテストは、胸を張り両肩を後下方へ橈骨動脈の拍動をみるの拍動をみるテストです。

橈骨動脈の脈拍が弱まるまたは消失する場合は、陽性となります。

エデンテスト

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モーレーテスト

モーレーテストは、鎖骨上窩(肩甲鎖骨三角)で腕神経叢を指で圧迫するテストです。

圧痛または上肢および前胸部への放散痛が発生すれば、陽性となります。

鎖骨上窩(さこつじょうか)とは、肩甲鎖骨三角とも呼ばれる鎖骨周辺にある三角形状のくぼみの内側にある首側の箇所のことで、リンパ節が走っている箇所のことです。

腕神経叢(わんしんけいそう)とは、脊髄神経から分岐して鎖骨、上肢、手へと繋がる網状の神経のことです。

モーレーテスト

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ルーステスト

ルーステストは、肩を外転または外旋させ、手首を上に肘を直角に曲げた姿勢で手指の屈伸を3分間行うテストです。

手指のしびれまたは前腕のだるさにより、手指の屈伸を3分間継続することができなければ陽性となります。

ルーステスト

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腰部神経の誘発テスト

ラセーグテスト

ラセーグテストは、仰向けになった患者の股関節と膝関節を90度に曲げ、医師等が膝を徐々に伸ばしていくテストです。

椎間板ヘルニアなどにより、坐骨神経の圧迫や癒着がある場合、大腿部の後面から下腿の後面にかけて痛みが発生します。

ラセーグテスト

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SLRテスト

SLRテスト(下肢伸展拳上テスト)は、仰向けになった患者の下肢を伸ばしたまま医師等が床面からどの程度まで拳上できるかによって症状を判断するテストです。

坐骨神経に障害がある場合、大体の後面から下腿の後面にかけて痛みが発生するため、足を上げることができません。

椎間板ヘルニアの患者の場合、正常者が上げることのできる高さの半分に満たない高さまでも足を上げることができない場合があります。

SLRテスト

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FNSテスト

FNSテスト(大体神経伸長テスト)は、うつ伏せとなった患者の膝を90度に曲げ、医師等が股関節を伸展させるように持ち上げるテストです。

椎間板ヘルニアなどにより、大腿神経に障害がある場合、大腿神経に沿って大腿の前面に痛みやしびれ感が発生することから神経症状の発症を知ることができるものです。

FNSテスト

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むち打ちに詳しい専門家とは?

交通事故に関する業務について専門的に取り扱っていない場合、交通事故による頸椎捻挫や腰椎捻挫等、むち打ちと呼ばれる症状について、詳しくなくても仕方のないことかもしれません。

交通事故を取り扱っている専門家だと謳う者であったとしても、むち打ちが惹き起こす症状や病態に精通しているとも限りません。

交通事故当初から他覚的所見やあなたが訴える症状をもとに適切な後遺障害の等級認定を見据えた治療法や検査の実施について説明または提案できる者こそが後遺障害を取り扱う専門家だと考えています。

たとえ敏腕弁護士であっても後遺障害非該当となれば、その後の示談交渉や裁判手続きにおいて納得できる結果を導き出すことはとても難しいです。

ウェーブ行政書士事務所では、あなたの利益を最大限確保するための適正な後遺障害の等級認定の取得を第一の目標としています。

示談交渉や裁判上の手続きがあなたにとって、有利な結果を導くこととなる後遺障害の認定に向け、全力で被害者やそのご家族をサポートいたします。

後遺障害の等級認定申請の代行が完了した後の手続きについては、ウェーブ行政書士事務所の理念に賛同いただいている弁護士があなたを全力でサポートいたします。

ウェーブ行政書士事務所へご依頼いただいたあなたは、交通事故に関する問題が解決するまでの期間において自身の治療に専念いただくこととなり、示談終了後に必要となる治療費や後遺症による収入減少といった金銭的な不安から解放されることとなります。

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